婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
なぜよりにもよって十四日にアポイントを取ってしまったのか。十三日や十五日ならまだ言い訳も立つのに、当日では期待させてしまうではないか。

ああ、困ったなあ……。

悩んだ末、一応はチョコレートを用意していこうと決めた。今後も長いお付き合いになりそうだと判断したら、別れ際に渡せばいいのだ。

当日。仕事終わりに待ち合わせ場所のスペインバルに向かうと、ネイビーの爽やかなスーツに身を包んだ感じのいい男性――立花(たちばな)さんが先に席についていた。

「お久ぶりです、桃代さん。急にお誘いしてしまってすみません。来ていただけて嬉しいです」

営業職だけあって笑顔が清々しく、礼儀正しい。

「こちらこそ誘ってもらえて嬉しかったです。あの、敬語じゃなくても大丈夫ですよ? 私の方がひとつ歳下ですし」

「じゃあ、フランクに話させてもらおうかな。桃代さんもよかったら敬語ナシで。一歳差くらい変わらないよ」

そう言って笑う彼はとても常識的な人に見えた。前回の失敗が軽くトラウマになっていたようで、普通に会話できる男性と巡り会えただけでありがたく思えてくる。

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