愛を知った日

8.

その勉強会から数週間後。今日はテストの日だ。
勉強会の後、みんなから連絡がきた。
「今日はありがとう。」
「美味しかったし楽しかった。」
「こちらこそありがとうございました。」
「奏も親御さんにもお礼伝えてな。」
「はい。」
そこまで話して鳳蝶くんから個人の連絡がきた。
「考えたんだけど奏の敬語取るために毎日、1つ質問することにした。拒否権はないけどある。」
私は思わずそのメッセージを見て笑ってしまった。
ないけどあるという言葉に鳳蝶くんの優しさが滲み出ている。
「うふふ。ないけどあるってどういうことですか？」
「どうしても嫌だって言うならやらない。」
「いいですよ。どんどん質問してください。その代わり私も質問していいですか？」
「いいよ。じゃあ決まりな。明日から。」
「はい。」
その日から毎日1つ質問がきた。好きな色とかものとかどんな音楽聴くかとか趣味とか…とにかくたくさん来たから私もその分だけ質問をした。
そしてこのテストまでの間に病院への通院もあった。今までも月に一度診察はあったけど入院したりしたし今回は検査があったので特に長かった。
< 118 / 315 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop