ひとなみ
もみじ
たとえば仮に、この町が大地震に襲われたとして、

私はあなたを助けに行くけど、

あなたはきっと来てくれないなぁ。





そんなことをふと思い、紗香は一人で落ち込んだ。

思わずうつむいたその頬に、風で流れた髪がかかる。


秋の空は高く、風も爽やかで、気温も気持ちいい。

見頃だとニュースで言っていた紅葉も、その評に違わずとてもキレイだと思う。

真っ青な空に、赤や黄色の枝がよく映える。



「キレイだなぁ」


顔をあげると、なぁ?と聞かれて、紗香は頷いた。


「キレイだねぇ、まーちゃん」


連れてきてくれて、ありがとー。

そう付け加えると、マサキは嬉しそうに笑った。


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