初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「シェリア王女は昔わたしの婚約者だった。それだけですよ。今は尊敬する君主の伴侶となる方です」

「ばかねぇ。わたしの騎士になったらずっとシェリアと陛下のいちゃいちゃを見て過ごさないといけないのに。だからオルベリアに残ってもいいとわたしは言ったのに」

はははと内心笑った。
それは確かだ。
だけどなんでだろう?
キルギアという魔力の国でもし低級魔獣に出くわしたら自分みたいな魔力をもたない人間には命取りになりかねないのに、それでもキルギアに行こうと思った。それはデュランダル陛下を尊敬してしまっているのもあるけれど……
もしかしたら俺は……

「姫様を守るのが僕の使命ですから」

「あなたは魔力がないのよ? キルギアでは危険だわ」

「大丈夫です。僕はずっと姫様と一緒にいますから。姫様が魔獣は追い払ってくれるじゃないですか? それで僕が人間を追い払う。これでおあいこですよ」

そういうとロレッタ姫は少し大人っぽく肩をすくめた。

「ばか」



この護衛騎士がこの旅路で自分を守ってくれた時、剣をふるって悪い人間たちを倒してくれた時、一瞬ときめいたことは内緒だ。
本当は一緒にキルギアに来てほしいと思っていたことも内緒。
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