歴代最強のオヒメサマ
本当この人は無自覚なんだろな。

圧倒されるような美しい顔に、表情は豊かとはいい難いのになぜか彼女に惹き付けられる。



……かくいう俺もその一人だったりして。



「───翡翠さん」



名前を呼ぶと大きな黒い瞳がこちらを向く。


「よかったですね」
「……椿のおかげ」


小さく笑った彼女から目が離せない。
女なんて星の数ほど見てきたのに。

赤くなった頬を隠すように、眼鏡のブリッジを押し上げる。




────族潰しカワセミ。



関東のトップに立つ水月を守るかのように突然現れた人物。

それが彼女だと言われても最初は信じられなかった。
女が本当に戦えるのか?とも思っていた。


───……だけど。

部屋に入ってきた瞬間。



彼女が伏せた瞳をゆっくりと開く、たったそれだけで俺は簡単に魅了されてしまった。


華奢な女の子から発せられているとは思えないほどの力強く圧倒的なオーラ。



自然と彼女について行きたいと思ってしまう不思議な魅力。




………それは、俺があの夜出会った人と、ひどく、似ていたから俺はこの人こそが本物のカワセミだと確信した。



【椿side END】
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