お兄ちゃん、すきだよ。
初めて聞く怜一朗くんの本音。
その素直な気持ちが本当に嬉しくて、私はずっと、静かにうなづいていた。
「きっと春乃ちゃんのお兄さんも、いつもこんな気持ちだったんだろうな。
春乃ちゃん。これからは俺が、兄として春乃ちゃんを守るよ。
お兄さんの代わりにはならないかもしれない。
だけどね、春乃ちゃんを思いやる気持ちは、お兄さんに近付けてると思うんだ。
だから、頼りないかもしれないけれど、俺のこと頼ってよ?」
怜一朗くんがいつもの笑顔で微笑んだ。