お兄ちゃん、すきだよ。
「だからうるさいっての!お前は!」
颯太がまた先生に叱られた。
ばつが悪そうな顔をする颯太を見ていたら、ついつい吹き出してしまった。
「笑うなよ春乃ー!」
そういっておどけながら舌を出す。
これは颯太なりの気づかいなのかもしれない。
さっきみたいに真剣になられてしまうと、正直戸惑ってしまう。
だけどこうやって、ふざけながらも優しくしてくれる颯太のことは昔から好きだ。
これが恋なのかと聞かれたら、少し違うような気がする。
ずっと昔から続く、微妙な関係。