マリオネット
 杏佳も何も情報知らないみたいだった。
 ふぅとため息をつく。

「陽菜乃さん、捨て猫って俺のこと?」

「えっ?」

 後ろを見ると、凪が立っていた。
 聞こえちゃったのか。

「ごめん。凪のことじゃないんだけど、何て言っていいのかわからなくて。ごめん。嫌な気分にさせて」

「実際、そうだから。何も言えないけど……」
 凪が俯きながら、髪の毛を乾かすため戻って行った。

 あぁ、そうだよね。
 あんなこと言われたら、凪だって機嫌悪くなるよね。ちゃんと謝ろう。

「凪……。ごめん。さっきのは……」
 リビングに戻って来た彼に話しかける。

「うん。いいよ。気にしてないから。大丈夫」

 彼は笑っていたが、表面上だけのような気がしてならない。

 私は立ち上がり、凪を後ろから抱きしめた。

「凪、ごめん。不快に感じたよね。どうしたら許してくれる?」

「そんなに気にしないでよ。俺、本当に何とも思ってないから」

 その後は、お互いに会話が少なくなった。
 眠るためにベッドに入ったが、会話もなく、朝を迎えてしまった。
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