マリオネット
 フラれた当時はそんなことを思っていた。

 もう恋愛なんてしたくない。このまま一人でいい。
 そんな私でも、言葉とは裏腹にフラれてから一人付き合った人がいる。親友が世の中、男なんてたくさんいるんだからって声をかけてくれて……。
 もう一度恋愛と向き合ってみようと思った。

 相手は、私より八歳年上の男性。年上だったけど、夢を追っていた。バイクと車が趣味。
 結婚の意思について問うとすぐ別れを切り出され、結局、付き合って二カ月以内に別れることになった。彼は、今の自由な生活を今後も望んでいて、結婚という縛りが嫌だったみたい。

 そんな時、翔太郎が結婚したのを知った。
 私と別れてまだ数カ月しか経っていない。私と重なっていた二股期間はどのくらいだったのだろう。

「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」
 
 その想いや怒りが強くなるばかりで、翔太郎への未練は薄れていった。

 そしてもう本気で恋愛するのは止めようと思った。上辺だけの恋愛を楽しもう。

 

 私は「上辺だけ」の恋愛で割り切ることにより、男性から離れていくばかりか、狂ったかのように男性を求めるようになった。モテるために、ダイエットをし、化粧にも気を遣った。男性と遊ぶ時は、女の子らしいフワフワのワンピース。ロングの明るい髪色のウィッグを購入し、巻き毛にした。歳を聞かれた時は、誤魔化して明るい女性を演じた。
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