黒百合の女帝
 思考を切り替え、その場の空気に集中する。

イケメンさんはただ頷き、自己紹介を始めた。

 「ありがとう。俺はカヤで、麓冬の総長だ」

 「えっと、ロクトウは暴走族って認識でいいんですか?」

 「ああ。そいつがラクアで、他にも副総長が一人。ユリは姫だな」

 「へえ……」

美少年くんがラクアくん、イケメンさんがカヤさん。

と考えながら、ユリちゃんの方を向く。

ユリちゃんが姫かあ。ってことは。

 「カヤさんとユリちゃんは付き合ってるんですか?」

そう尋ねると、カヤさんが顔を背けた。

そしてそっぽを向いたまま、口を開く。

 「ああ……うん、そうだな。俺の彼女だな。ユリさ……は」

 「へえ。そうなんですね」

思わず、素っ気ない声が出てしまった。

なんでかわからないけど、素直に喜べない。

ユリちゃんは僕にとって、お姉ちゃんみたいな存在。

だから、喜ばなきゃ。喜ばなきゃなのに……

なんだか、もやもやするなあ。
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