黒百合の女帝
 「初めまして。トシアキ君のお友達をさせて貰っている、ユリと申します。」

そう名乗る彼女に、目を奪われた。

そんな六ヶ月前、四月中旬のこと。

彼女は当時の幹部候補、トシアキからの紹介で訪ねてきた。

正直、ここまで上品な方がいるのかと驚いた。

容姿、仕草、雰囲気。その全てが並外れている。

もしかして、大学生とかだろうか……

と彼女に見惚れて数秒後、ハッと我に帰る。

その頃には既に、ミヤビが自己紹介を始めていた。

 「初めまして。僕が副総長のミヤビ、隣が総長のユウヒと言います。」

俺が言う筈だったのだが、気を遣わせてしまった。

ぼけっとしていたことを反省し、自身に喝を入れる。

総長として、仕事を成し遂げなければ。

 「では、応接間に案内しますので、付いて来てください」

そう告げた後、体を反転させる。

彼女は一言返事をし、案内に従ってくれた。

どうやら、俺の言動は正しかったようだ。

内心安堵しながら、応接間の扉を開ける。
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