クールなバリキャリなのに甘く蕩かされています

エピローグ

荘厳なパイプオルガンの音色が教会に響き、戸田家と浅葱家のゲストを温かく包み込んだ。金沢の古い教会は、12月24日の牡丹雪に静かに覆われている。マリアと百合の花が飾るステンドグラスから、赤や青の色とりどりの光が差し込み、祭壇を神聖な輝きで照らす。

冴子と柊生は愛を誓う。柔らかな光の中で向き合う二人の姿は、まるで永遠を約束する絵画のようだった。ゲストの祝福の拍手と、子供たちの無邪気な囁きが、教会の高い天井に響き合う。

「汝、浅葱柊生は、この女、戸田冴子を妻とし、良き時も悪き時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分つまで、愛を誓い、妻を思い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

神父の声が、厳粛に響く。

「誓います」

柊生の声は、力強く、冴子の手を握る手に熱がこもる。

「汝、戸田冴子は、この男、浅葱柊生を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分つまで、愛を誓い、夫を思い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻のもとに、誓いますか?」
「誓います」

結婚式を迎えた冴子の声は、柔らかだが確かだ。

「鉄仮面」を外した彼女の微笑みが、ステンドグラスの光に映えて輝く。祭壇で、冴子と柊生は熱い口付けを交わした。冴子のウェディングドレスのレースが光に揺れ、柊生のタキシードの黒が彼女の白を一層引き立てる。教会の空気は、祝福と愛に満ちていた。ゲスト席から温かな拍手が沸き起こる。戸田家の父親はハンカチで目を拭い、母親は冴子の幸せに涙を流す。ビアガーデンの夜、カフェの記憶、給湯室のハンカチ..............すれ違いと誤解を乗り越えた二人の物語が、この瞬間に結実した。

ゲストの笑い声と祝福が、教会を温かく満たす。由香里も後ろの席で小さく拍手し、苦々しい笑みを浮かべていた。

披露宴では、いつものカフェのパウンドケーキが特別なデザートとして振る舞われた。柊生が冴子の口元にケーキを運ぶと、彼女は照れ笑いを浮かべ、ゲストから歓声が上がる。「美味しい?」と柊生が囁くと、「............お、美味しい」と冴子が答える。

彼女の耳まで赤くなる姿に、会場は笑顔に包まれた。柊生の銀縁眼鏡がシャンデリアの光を反射し、彼の優しい目が冴子だけを見つめる。あのピンクのキャラクターのハンカチは、今、柊生のポケットで大切にしまわれている。ステンドグラスの光が二人の未来を照らす。冴子は柊生の手を握り、かつての「鉄仮面」の下で隠していた想いが、今、愛として花開いたことを感じる。教会の鐘が鳴り響き、ゲストの祝福が響き合う。二人の新しい日常が、温かな光の中で始まった。



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