この恋、予定外すぎて困ってます



「涼ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」


「大丈夫じゃありません!!」




思わず叫んだ。

だって、だって…!

私のばか! 何期待してんの!?

っていうか、私、期待してたの!?

チラッと先輩の顔を見ると、「ん?」って首をかしげてる。

その顔が、あまりにも無邪気で、 逆にこっちが恥ずかしくなってくる。


…まって。

冗談じゃない。

私って、先輩のこと――

“兄”として好きだったはずなのに。
“家族”として大事に思ってたはずなのに。

でも、今。
この距離で、 この空気で、 この花火の夜で。

私の心、完全にバグってる。

先輩のこと、“特別”に思ってる。




それだけは、もう隠せないかもしれない。



< 79 / 309 >

この作品をシェア

pagetop