この恋、予定外すぎて困ってます
「涼ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」
「大丈夫じゃありません!!」
思わず叫んだ。
だって、だって…!
私のばか! 何期待してんの!?
っていうか、私、期待してたの!?
チラッと先輩の顔を見ると、「ん?」って首をかしげてる。
その顔が、あまりにも無邪気で、 逆にこっちが恥ずかしくなってくる。
…まって。
冗談じゃない。
私って、先輩のこと――
“兄”として好きだったはずなのに。
“家族”として大事に思ってたはずなのに。
でも、今。
この距離で、 この空気で、 この花火の夜で。
私の心、完全にバグってる。
先輩のこと、“特別”に思ってる。
それだけは、もう隠せないかもしれない。