牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)
やがて、かすれた声が零れる。
「……本当に」
彼は視線を伏せ、拳を握りしめた。
「本当に、俺を嫌いにならないか?」
その言葉に、胸が強く締め付けられる。
(そんなこと……どうして、今さら)
「弱いところを見せたら、情けない姿を見せたら……君が離れていくんじゃないかって、ずっと怖かった」
彼の声は震えていた。
普段、どれだけ強がっても、心の奥ではこんな不安を抱えていたのだと知って、涙があふれる。
「……離れません」
震える声で返す。
「どんな日向さんでも……私は、離れたりしませんから」