本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 追い詰められながらも、山城の声にはまだ消えない傲慢さが滲んでいる。


 「言い訳は無意味だ」


 青葉は一歩踏み出し、山城を見下ろした。


 「あなたが妻に対して行った行為や、交渉を私利私欲のために歪めた事実は、この目で確認した。ビジネスを装いながら、このような卑怯な手段に打って出たあなたの行動は決して許されるものではない」
 「確認しただと? 証拠もないのに」


 一瞬目を揺らした山城だったが、すぐに挑発的な目になる。


 「この業界で私の名前は力を持っている。キミの奥さんの夢とやらを諦めるつもりか?」
 「あなたの名前が持つ力? そんなものは今の時点ですでに崩れはじめている。私の妻の心に傷を残した罪は、どんな地位や権力でも償えない。今回の件については、業界はもちろん法的な場で明らかにする。山城不動産があの場所を握っているというのなら、べつの道を探すまでだ。私の妻とルナリアの未来は、お前のような男に委ねるものではない。覚悟しておくがいい」


 青葉は一瞬も目を逸らさず、強くそう言いきった。抑えきれない怒りか、最後には山城を〝あなた〟から〝お前〟呼ばわりだった。
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