本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「現状、エリアごとの客層や購買傾向を分析した結果、ターゲットとする層には特定の立地が有効ではないかと考えていますが、夏目社長はどうお考えでしょうか」


 青葉は手元の書類をめくり、鋭い視線でグラフを確認する。


 「確かにそのとおりです。特にオーガニック製品を求める層は都市部の一定エリアに集中する傾向があります。立地選定の際、競合店の動向も考慮する必要がありますね」


 莉乃は頷きながら続ける。


 「はい、それがまさに懸念点です。競合が強いエリアに踏み込むか、それともまだ市場が開拓されていない場所を狙うか。どちらの選択肢にもリスクが伴います」


 青葉が思案するように指先でテーブルを軽く叩く。その動きすら計算されたように洗練されているが、その根底には本能的な決断力と大胆さが見え隠れする。


 「そうですね。市場に新規参入する場合、ブランドの認知度向上が鍵になります。貴社の強みである〝自然派〟というコンセプトをどう消費者に伝えるか、そこが勝負どころでしょう」
 「その点については、広告戦略も含めて考えています。オンラインとオフラインの連携をどう図るかも重要で、そのあたりのノウハウも御社にご相談したいと思っています」


 莉乃がすかさず答えると、青葉の唇の端に微かな笑みが浮かんだ。


 「なるほど。御社の強みをどう最大限活かすか。面白くなってきましたね」


 まるで熟練の戦略会議のように、三者の会話はスピーディかつ論理的に進んでいく。それらの駆け引きが、ラウンジに濃密な空気を生み出していた。
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