本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「昨日の話だろ?」


 すぐに察するあたりはさすがだ。


 「プロポーズをなかったことにするなら電話でよかったのに」
 「なかったことになんてしないわ」


 青葉が目を瞬かせる。はなから〝破談〟を想定していたらしく、莉乃の言葉に驚いている様子だ。


 「改めて言います。私と結婚してください」


 手を膝の上に置き、姿勢を正した。
 青葉が目をすがめて莉乃を見つめる。本気かどうかを探っているような目だ。


 「子連れを了承の上?」
 「もちろん。お互いに合理的だと思ったの」


 それぞれが求めているものを補い合える。愛を根底にした結婚より、むしろ目的を明確にした関係のほうが余計な感情に振り回されずに済む。

 その言葉に、青葉はしばし沈黙したまま莉乃を見つめていた。静かで冷静な表情――だがその奥にはなにかを計算するような鋭い視線がある。
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