本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
青葉と意思の確認をした週の土曜日、莉乃は待ち合わせた駅のロータリーで彼の大きなクロスオーバーSUVに乗り、実家を目指した。
今日の青葉は、爽やかなブルーの半袖ギンガムチェックシャツに明るいライトベージュのスラックスを合わせている。後部シートのアシストグリップにハンガーで掛けられたネイビーのテーラードジャケットは、莉乃の父親に挨拶するときに羽織るのだろう。〝恋人〟の親に挨拶をするのにぴったりの、きれいめカジュアルだ。
自分の親とはいえ目的が結婚相手の紹介のため、莉乃も薄いブルーのワンピースで無難な路線を狙っている。
「父はちょっと気難しいところがある人なの。だからあなたに嫌な思いをさせるかもしれない」
莉乃の道案内でハンドルを切る彼に正直に打ち明ける。前もって伝えておけば、多少辛辣な言葉を投げられても面食らわないだろう。
「俺も色々な場面で厳しい人と向き合ってきたから、たいがいのことには対処できる。心配するな」
「頼もしいのね」
青葉の横顔に笑みが浮かぶ。彼が怯む様子もなく、むしろ冷静な姿勢を崩さないことに安堵を覚えた。