Secret love.
「…太一は、私を心配してくれただけだよ。」

「心配って?」

「いろいろと。」


及川くんの問い掛けに私が今は答えるつもりが無いのを理解すると「あっそ」と言って、それ以上問い詰めてこなかった。

朝までは甘く優しかった及川くんが今はその面影も残っていない。


「帰り連絡して。」

「何で?」

「普通に遅くなるのかどうか心配するから。」

「迎えには来れないけど心配するって?」

「…何で今日そんな言い方ばっかするわけ?何なの、今日。」

「単純にそう思っただけ。心配するなら迎えに来てくれたらいいのにって、」

「優花。」

「もう行くね。仕事始まるから。」


及川くんの言葉を遮ってその場を離れる。私だってこんな言い方をしたくない。

だけど自分は及川くんと人前で触れ合うのも難しいのに、姫野さんが簡単に会社で腕を組んだりしてもそう言う人だで済んでしまうのが凄く悲しかった。

私が及川くんにくっつくように触れたら、及川くんの望まない方向で噂になってしまうから遠慮しているのに。

結局プロポーズ前にしていた悩みを、また同じように繰り返しているだけ。
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