Secret love.
「結婚も今すぐじゃなくて、1年くらい婚約期間として見てもらって5年目の記念日とか、良いんじゃないかなって思うのですが、どうですか。」

「…その1年も秘密?」

「周りに何か言われる事無く決めてほしいし、噂の的になったりはしたくないから、後1年は秘密にしたい。」


及川くんらしい提案に思わず笑ってしまった。5年目の記念日で、っていうのも悪くない。


「…はい、お願いします。」


その提案に応じると安心したような表情で笑ってから両手で顔を覆っている。そんな風に見えはしなかったけれどきっと緊張していたのだと思う。

やっと前に進めそうなのに、ここで断る理由はなかった。


「…待って、大学の同期の女の子達がそろいもそろって及川は友達で良いかなって言ってたのは何?」

「…その話したくないんだけど。」

「今更隠し事は無しでしょ。」


そう問い詰めるとさっきの嬉しそうな顔からやりづらそうな顔をしていて、本気で話したくなさそうな顔をしている。

もうこのまま逃がす気はない。


「…及川くん。」

「あの時の俺が優花の話しかしてなかったからじゃん?」

「…でもさ、私達あんまり関わりなかったよね?あの映画の時まで。」

「俺はずっと見てて可愛いって思ってたのにそんな事言う?傷付く。」

「いや…、なんというか…。」


信じられない話に素直に受け止められなくて、それどころか可愛いと言う言葉に赤面までしてしまう。いまだに可愛いとか好きだとかそんな言葉には慣れていない。
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