永遠の絆*
「なに?…どうしたの?」


屋上に出て扉からすごく離れた所で葵は足を止め、私はすぐに口を開く。


「あの、あのさ…」


葵は唇を少し震わせながら私から目線を外し、今だに握っている私の手に力を入れた。

その葵の腕が少し震えている。


「…葵?」

「あ、あのさ…、」

「だから、どうしたの?」

「……」

「なんかあった?」

「……」


葵の躊躇いに思わず私は軽く息を吐きだす。


「ねぇ、葵?」


言いたくても言えない。

そんな感じだろうか。

俯く葵の唇は未だに震えてる。


「…生理がこない」

「…―え?」


葵が小さく呟いたのは暫く経ってからだった。

一瞬何を言ってるのか分からないまま私の思考が止まる。


だけど漸く理解しきった時、葵は私から手を離し、目を泳がせながら真っ黒な綺麗なストレートの髪を耳に掛けると、そのまま両手を組んだ。

最近、葵の様子が確かにおかしかった。

元気がないと言うか疲れきっていると言うような感じだった。


ずっと気のせいだって思っていたから私も葵に何も聞かなかった。



まさか、…葵が?
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