ふたりはミラクルエンターテイナー!
4.
「あたしはアナ! ここはあたしたちのものよ、そうよねミナ?」
赤いチューリップのぼうしをかぶった女の子が言いました。
「うん、おねえちゃんの言うとおり! アンタたちなんかに、ここのお花は一本もわたさないんだから」
青いチューリップのぼうしをかぶった女の子が、うんうんとうなずいています。
「なによ、ケチねぇ。あたしたちはティアラに使うお花がほしいだけなのに」
モエが口をとがらせると、黄色いチューリップのぼうしをかぶった女の子が、
「ここはあたしたちのダンスフロアなの。このあたし、ユナのお気に入りの場所に、ジャマものはぜったいに近づけさせないわ」
と、キッパリ。
「ダンスフロア?」
きょとんとしているネルに、
「そうよ! ここはあたしたちがおどるのにサイコーなの」
アナたち三人の妖精はニヤッと笑いました。
すると、モエがサッと手をあげて。
「それなら、ダンス対決しましょう! あなたたちが勝ったら、ここから帰るわ。でも、あたしたちが勝ったらお花を分けてちょうだい」
「えぇーっ!? ダンス?」
これにはネルもびっくり。
「おもしろいじゃない。受けてたつわ。じゃあ、たくさん回れたほうの勝ちよ。まぁ、あたしたちにかなうはずないけどね!」
三人の妖精は、くるくるとおどりはじめました。
そのダンスのみごとなこと。少しのリズムのみだれもありません。
「なかなかやるわね。でも、負けないわよ!」
今度はモエが、かれいなターンを見せました。
プリンセスらしくゆうがな、でも力強いダンスです。
「よーし、オレも! あれっ、目が回る~」
パンぞうも、いっしょにおどろうとしましたが、あっという間にヘロヘロになってしまいました。
モエと三人の妖精たちはとてもいい勝負です。
どちらが勝ってもおかしくありません。
負けないで、モエ……!
ネルは、かたずをのんでモエのダンスを見守っていました。
ところが――。
「あっ!」
急にモエがよろけました。ドレスのすそに足がもつれてしまったのです。
モエはドサッ! と花畑につまずいてしまいました。
「モエ、大丈夫?」
ネルが心配そうにモエにかけ寄ると、三人の妖精たちの笑い声が聞こえました。
「勝負あったわね」
「やっぱりここはあたしたちのものよ」
「あきらめて帰りなさい」
その言葉を聞いて、モエは立ち上がろうとしました。
「まだ平気よ、ティアラに使うお花を持って帰るんだから……」
しかし、モエの顔はつらそうです。ひたいには汗がじっとりにじんでいます。
赤いチューリップのぼうしをかぶった女の子が言いました。
「うん、おねえちゃんの言うとおり! アンタたちなんかに、ここのお花は一本もわたさないんだから」
青いチューリップのぼうしをかぶった女の子が、うんうんとうなずいています。
「なによ、ケチねぇ。あたしたちはティアラに使うお花がほしいだけなのに」
モエが口をとがらせると、黄色いチューリップのぼうしをかぶった女の子が、
「ここはあたしたちのダンスフロアなの。このあたし、ユナのお気に入りの場所に、ジャマものはぜったいに近づけさせないわ」
と、キッパリ。
「ダンスフロア?」
きょとんとしているネルに、
「そうよ! ここはあたしたちがおどるのにサイコーなの」
アナたち三人の妖精はニヤッと笑いました。
すると、モエがサッと手をあげて。
「それなら、ダンス対決しましょう! あなたたちが勝ったら、ここから帰るわ。でも、あたしたちが勝ったらお花を分けてちょうだい」
「えぇーっ!? ダンス?」
これにはネルもびっくり。
「おもしろいじゃない。受けてたつわ。じゃあ、たくさん回れたほうの勝ちよ。まぁ、あたしたちにかなうはずないけどね!」
三人の妖精は、くるくるとおどりはじめました。
そのダンスのみごとなこと。少しのリズムのみだれもありません。
「なかなかやるわね。でも、負けないわよ!」
今度はモエが、かれいなターンを見せました。
プリンセスらしくゆうがな、でも力強いダンスです。
「よーし、オレも! あれっ、目が回る~」
パンぞうも、いっしょにおどろうとしましたが、あっという間にヘロヘロになってしまいました。
モエと三人の妖精たちはとてもいい勝負です。
どちらが勝ってもおかしくありません。
負けないで、モエ……!
ネルは、かたずをのんでモエのダンスを見守っていました。
ところが――。
「あっ!」
急にモエがよろけました。ドレスのすそに足がもつれてしまったのです。
モエはドサッ! と花畑につまずいてしまいました。
「モエ、大丈夫?」
ネルが心配そうにモエにかけ寄ると、三人の妖精たちの笑い声が聞こえました。
「勝負あったわね」
「やっぱりここはあたしたちのものよ」
「あきらめて帰りなさい」
その言葉を聞いて、モエは立ち上がろうとしました。
「まだ平気よ、ティアラに使うお花を持って帰るんだから……」
しかし、モエの顔はつらそうです。ひたいには汗がじっとりにじんでいます。