ふたりのバレリーナと星空のまほう

5 ダンスホール

ダンスホールのいりぐちには、おおきな門がありました。
そこには、まっしろなうさぎさんたちがこまっています。
「ぼくたち、いろがないの。おそろいになれたら門がひらくのに」
おそろいということばに、アミとエレナが顔を見あわせます。
「なんだか、わたしたちみたい」
「そうね。わたしたちもおどりがそろわないとまほうがつかえないから」
「せっかくだから、うさぎさんたちのいろをぬってあげよう!」
「でも、どうやって?」
こまっていると、うさぎさんたちがひとつのペンをもってきてくれました。
「まほうのペンでぼくたちをぬってみて!」

2匹のペアになるようにうさぎさんたちに色をぬってあげよう!

「できた!」
「とってもかわいいわ」
うさぎさんたちもうれしそうです。
「ありがとう! これで門がひらくよ!」
すると、めのまえの大きな門がするするとひらいていきました。
「わたしたちも入っていいのかな?」
アミがうさぎさんたちにたずねます。
「いいよ! おきゃくさんもふたりのことをまってるはずだよ」
うさぎさんたちは、にっこりとほほえみました。
アミとエレナは、ドキドキしながら門の中へと足をふみ入れます。
すると……
ダンスホールの中は、まっくらです!
「うわあ、なにもみえない」
「これじゃあおどりもおどれないわ」
ふたりがこまっていると。
「アミ? エレナ?」
だれかがふたりをよぶ声がきこえました。
「この声……もしかしてミオ先生?」
「ええ、そうなの。ふたりとも、ここまでこられたのね」
ミオ先生にあえてうれしいふたりですが、どこにいるかはわかりません。
「ふたりにおねがいがあるの」
「おねがいですか?」
「ふたりのぴったりそろったおどりをみんなにひろうして」
「えっ!」
ミオ先生のおねがいに、アミとエレナもおどろいてしまいました。
いままで、ふたりのおどりがそろったことはないからです。
「ふたりのおどりがそろえば、まほうでここは明るくなるはずだわ」
もちろん、ふたりはおどりたいです。
「……エレナ、わたしたちできるかな?」
「ふあんだけど、ここを明るくしないと」
ふたりの声に、ミオ先生が「ねえ」と言いました。
「あなたたちが、これまでどれだけれんしゅうしてきたか、先生はよーく知ってるのよ」
「ミオ先生……」
「ここに来るまでに、たいせつなことを知ったはず」
ふたりは、たくさんのことを、ふたりでいっしょにのりこえてきました。
そして、たいせつなことも思い出したのです。
「たのしくおどること!」
「そのとおり! あなたたちはとってもすてきなバレリーナよ。だから自分を、そして友だちをしんじて」
アミとエレナは手をつなぎます。
「よし、がんばろう!」
「さいこうのおどりにしましょう」
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