推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


推しがいるから、頑張れる。
推しが楽しそうにしているのを見ると、わたしまで嬉しくなってくる。

わたしにとっての推しは、この世に存在していてくれるだけで、何物にも代えがたい価値があるような……毎日を生きる原動力になってくれる。そんな存在なの。

だから、発売日の今日を、すごくすご~く、楽しみにしてたんだ。
やっと響音くんに会える……!

ゲームやアニメばかり見て成績が落ちるようなら、ゲームは買わないってお母さんと約束していたから、毎日の勉強もサボらずにがんばってきたしね。

家に帰ったら、さっそくゲームをしよう。
あ、でも今日の分の勉強がまだだし、少しがんばってからのごほうびにしようかなぁ。

そんなことを考えながら、ボーッと歩いていたのが悪かったのかもしれない。


「いってぇな。どこ見て歩いてんだよ。って、俺のシャツに飲み物が……!」


――前から歩いてきた怖そうなお兄さんに、ぶつかってしまった。

しかも、ぶつかった拍子に、お兄さんが持っていた飲み物がこぼれちゃったみたい。
真っ白なシャツに、うっすらと茶色いシミができている。

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