再会した初恋の幼馴染との距離が近すぎて困ってます! ~離れて初めて気付く恋~
同窓会の会場は、東京のとある飲食店となっていた。時間帯は夕方で、私は少し仕事が長引き遅れて到着した。
「真香久しぶり~!」
「あ、うん、久しぶり」
「真香遅いよ~! もう始まっちゃってるよ!」
「アンタは酔いすぎ。ペース落とせ」
大体、15人くらいだろうか。同じく大学に進んだ同級生もいれば、卒業後就職した同級生もいる。けれど……
「これで全員?」
「うん。いや~新幹線長かったよ~! やっぱり東京は遠いね~!」
「チケット代高かったけど、その代わり乗り換えなかったから楽だったな」
「東京駅で迷子になったけどね? 人多すぎだって~あははっ」
朝陽の姿が、見えなかった。
東京に住んでる人は強制参加って聞いたはずなのに。まさか仕事を言い訳にして不参加にしてないよね。え、私もその技使いたかったんだけど。
けれど、何故だろう。何となく、残念に思ってしまうのは。ここは、喜ぶべきところのはずなのに。気まずかった朝陽と顔を合わせずに済んだのだから。
その、はずなんだけど……
「へぇ~、結婚したんだ!」
「そう、一年前に」
「おめでとう!」
中には、既婚者もいるらしい。指輪をしているのが3人いた。
私も、上京してからお正月に実家に帰ると両親から結婚というワードをちらほら出される。いや、それは先の話でしょとかわすけれど……耳の痛い話ではある。
もう24歳なんだから、と言われるけれど、私としてはまだ24歳、だ。そう、まだ婚期は逃してない。大丈夫。