再会した初恋の幼馴染との距離が近すぎて困ってます! ~離れて初めて気付く恋~

 同窓会の会場は、東京のとある飲食店となっていた。時間帯は夕方で、私は少し仕事が長引き遅れて到着した。


「真香久しぶり~!」

「あ、うん、久しぶり」

「真香遅いよ~! もう始まっちゃってるよ!」

「アンタは酔いすぎ。ペース落とせ」


 大体、15人くらいだろうか。同じく大学に進んだ同級生もいれば、卒業後就職した同級生もいる。けれど……


「これで全員?」

「うん。いや~新幹線長かったよ~! やっぱり東京は遠いね~!」

「チケット代高かったけど、その代わり乗り換えなかったから楽だったな」

「東京駅で迷子になったけどね? 人多すぎだって~あははっ」


 朝陽の姿が、見えなかった。

 東京に住んでる人は強制参加って聞いたはずなのに。まさか仕事を言い訳にして不参加にしてないよね。え、私もその技使いたかったんだけど。

 けれど、何故だろう。何となく、残念に思ってしまうのは。ここは、喜ぶべきところのはずなのに。気まずかった朝陽と顔を合わせずに済んだのだから。

 その、はずなんだけど……


「へぇ~、結婚したんだ!」

「そう、一年前に」

「おめでとう!」


 中には、既婚者もいるらしい。指輪をしているのが3人いた。

 私も、上京してからお正月に実家に帰ると両親から結婚というワードをちらほら出される。いや、それは先の話でしょとかわすけれど……耳の痛い話ではある。

 もう24歳なんだから、と言われるけれど、私としてはまだ24歳、だ。そう、まだ婚期は逃してない。大丈夫。
< 29 / 36 >

この作品をシェア

pagetop