再会した初恋の幼馴染との距離が近すぎて困ってます! ~離れて初めて気付く恋~
2.私の知らない6年間
ピロン。
ピロン。
そんな音で、目が覚めた。
一体誰だ、と一瞬思ったが、すぐに悟った。
あの野郎、一体何時だと思って……待って、今何時よ。
「待て待て待て待てっ!!」
やっばいもうこんな時間!!
すぐに飛び起き、洗面所に急いだ。もうちょっと早く起こしてくれ。なんて言いたくもなったが、このメッセージを送った人物を考えるとそんな事も言ってられない。まぁ学生時代は日常茶飯事だったけれども!!
朝ご飯は諦め、すぐにスーツに手を通し家を飛び出した。危機一髪でいつも乗る電車に乗れたから、一安心だ。
ふぅ、と息を整えつつもスマホを手にした。けど……見る気にはなれなかった。早く会社に行かなきゃ、と自分に言い聞かせつつも外の景色を眺めていた。
「やばい、頭痛い……」
「あんなに飲んだんですから当たり前でしょ、先輩」
私の部署の何人かは頭を抱えつつもPCと向き合っている。昨日は社長持ちだからと羽目を外した人達だろう。私はセーブしたから何ともないが。
とはいえ、困ったことが一つ。私を遅刻という危機から救ってくれたありがた〜いメッセージの返信をどうするか。
そう思いつつ、既読を付けないように通知で読んだ。が……これは、やめた方がいいのでは? と悟った。
『助けてくれ』
まさかの、SOS。私や二日酔いの社員達の他にも危機に直面している人がいたとはビックリだ。まさか、こいつも二日酔いか? と、思ったけれど画像が送られてきていた。二日酔いのSOSに画像は必要ないと思うから、違うんだろうな。
けれど、画像となると開かないとこの危機の内容が分からない。
「……」
……しょうがないな。相手は幼馴染で、私を危機から救ってくれた。学生時代だってだいぶ助けてくれた。なら救ってやらねば。恩を仇で返したくないし……後で話に出されても困る。
そう思い、メッセージを開けた。
「……わぁお」
「どしたの、真香ちゃん」
「あ、いえ、なんでもないです」
「そ?」
会社なのに何て間抜けな事を言ってしまったのだろうか。なんて事してくれてるんだ。
……ではなく。なんじゃこりゃ。