シオン〜貴方が心に灯してくれた光の花〜

prologue



『君は誰よりも笑顔が似合うね!』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『君の優しいところ、とっても好き!』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『僕は、君という子に出逢えて幸せ者だなぁ…!』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『…君は僕の分まで生きてね?』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『ずっと……愛してるよ……』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




…ねぇ、待って!


置いていかないで!!




…私も!

…私も、着いて行く!!




ねえ、待ってよ…




お願いだから、私を1人にしないで……




………………………………




「…ハッ!」


あぁ、またこの夢だ…。


このシーンで目覚めるのは何度目だろう。


この言葉たちは、命の恩人が私にくれた大切なもの。


私を変えてくれた、大切な言葉(もの)


また“彼”に会えたのなら、


そしてこれが“夢”でなく“現実”ならば、


どんなに良いことか……


そしてもう一度、“彼”の口からこの言葉が聞けたのなら、どれほど良いのだろうか……




この夢の内容は大好きなものが詰まっているはずなのに…




辛いもの、怖いものではないのに…





なぜ、いつもこんなにも切なく、沈んだ気持ちになるんだろう……。




………………………………




私という人間は、友達なんていなくて、何の権力もなく、名誉もない。
おまけに特技すらもなくて、何もかもが中途半端。




つまり、私には生きている価値がない。




私は死んだ方が良い人間。




────ある時、死のうとした。




でも、死ねなかった……。



最期に夢だった空を飛ぼうとしたのに、いざ飛ぼうとしたら急に怖くなって、大空に羽ばたくことができなかった。


正真正銘、私こそが意気地なしの腰抜け。


情け無い。


そんな自分のことが、自分自身の何もかもが心底嫌いだった。








────“彼”に出逢うまでは。













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