ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララ、レスタ姫の情報を取る
王宮の小会議室は、予算編成の分捕り合戦で紛糾していた。
リアララは、窓の近くの木にとまっている小鳥の目を通して、
室内の会議の様子を、うかがっていた。
「魔獣対策と国境防衛強化のため、現状より2割増しの予算が必要です」
防衛省トップ、騎士団長が声を張り上げると、
レスタ姫が書類の数値を指さし、騎士団長を見据えた。
「魔獣出没の回数は、昨年より減少していますよね!」
騎士団長は、不機嫌そうにレスタ姫を見た。
「姫、確かに回数は減っていますが、大型魔獣らの出没回数が増えてきています。
ここで対策を怠れば、せっかく領主たちが開墾した土地が荒らされてしまいます」
レスタ姫も負けていない。
「私はニンゲンの専用の診療所建設と教育機関のため、予算が必要と考えています」
レスタ姫のこの発言に、参加者全員がげんなりとした顔をした。
また、いつもの・・・
姫の戯言(ざれごと)が始まった・・・というように。
「姫、魔獣対策も、国境防衛もニンゲンを守るためにあるのです。
農地の開拓や道路建設のインフラにも、ニンゲンが必要なのは皆わかっていますぞ」
騎士団長は子どもを諭すように、優しい口調になった。
だが、レスタ姫は雄弁だ。