クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
俺もう一度手の甲にキスをして、華子を見つめる。
「ずっと、俺のことだけ考えてろよ」
今もこの先もずっと、俺のことを考えてればいい。
他の男には触れさせない。
触れさせたくない。
「…あの…その…」
華子は俯いて視線を泳がせている。
けれど握ったままの手は、逃げようとせず俺に委ねられていた。
その小さなぬくもりを感じながら、俺は口元を緩める。
――もう、離す気なんてない。