キミノオト

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今年も残すところ数時間。

大画面の前で、陽貴君達の出番を待つ。

「愛しの旦那様はそろそろかね~」

隣に座る友人の言葉につい笑ってしまう。

優麻ちゃんとは昼間一度別れたけど、誘ったら遊びに来てくれた。

日付が変わる前には帰ってこれないからと、一人での年越しになることを心配してくれた陽貴君からの提案。

「海音が幸せになるのは嬉しいけど、独り占めする時間が減っちゃうのは寂しいなぁ」

なんて言いながら抱きしめてくれる優麻ちゃん。

「すぐに結婚するわけじゃないよ。反対される可能性だってあるし」

陽貴君のご両親や事務所の方が、私のことを認めてくれるとは限らない。

でも、たとえ認めてもらえなくても、認めてもらえるように努力するけどね。

「いい顔してるね」

温かい笑顔に、私も微笑み返す。

そこで、ちょうどトリノコシの出番がやってきた。

「このような大舞台で、僕たちの曲を披露する機会をいただきありがとうございます。今年もたくさんの方に僕たちの曲を届けられて、幸せな1年でした。来年も駆け抜けていきたいなと思います!よろしく!!!」

話し終わると同時に前奏が終わり、力強い歌声を響かせる。

今日披露しているのは応援ソングって言えばいいのかな、きいていて勇気が出る曲。

テレビ越しでも、会場の盛り上がりが伝わってくる。

「かっこいいなぁ…」

「惚気」

こんなかっこいい人にプロポーズしてもらえたなんて、キセキ以外のなにものでもないな。

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