休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。
だから……つい私は強気な言葉を言ってしまった。




「私はどんなことも全力で楽しみたいから……ちゃんと進むんです」




どう進むのかも分からないまま、口から出ただけの「進む」という言葉。

だから、私は慌てて「ちがっ……!」と言ってしまう。

しかし、古賀さんはどこまでも一枚上手(いちまいうわて)だった。





「俺は今の言葉、格好良いと思ったけれどね。例え、勢いだったとしても」





「っ! 有言実行しますからっ!!」





「ふはっ、そうこなくっちゃ」





私の勢い任せの言葉すら、私に勇気を与える言葉に変えてくれる古賀さんが……私は純粋に……深い意味はなく……いや、あるけれど……


気になってしまう。


もう私の心は傾き始めているのかもしれない。
< 52 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop