君の明日を照らしたい(仮)
「はいはーい!ここでみんなでカラオケターイム!」


ノリノリでマイクを取り出したのはキャンプの実行委員。


あたしたちの席は彼と同じ列の真ん中辺りだから、早めに順番が回ってきそうだ。


……最悪。


みんなの前で歌うのも恥ずかしいけど、

こんな状況で歌えないよ。




歌う曲を決めていたのか、さっそくイントロが流れ出す。


国民的アイドルの歌で、みんなが知っていそうな曲だ。


あたしももちろん知っていたけど、とても歌う気分じゃない。



「はい、明日菜!」

そんなことは知らない茜はマイクを回してくる。


「あ、え……」

「ほら早く早く〜」



仕方なくマイクを受け取る。


「〜〜♪」


でも気付いたときにはマイクが手の中から消えていた。


「え〜!山崎うま!」


話し声より高めの声で、優しいビブラートが効いている。


そのままマイクは、後ろの席へ回っていく。



「……ありがと」



「いや?やっぱ歌うの気持ちいいなー!」




やっぱり。


あのときも、今日も。



君はあたしのことを助けてくれたんだね。




みんなの歌声を聞きながら、あたしは、自然に眠りに落ちていった。




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