英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「イレーヌ姫。今日の午後、あなたの侍女は街に出たアレクシアを追うように、荷馬車に乗り込んで出かけたそうですね」

 一瞬、怯んだ様子を見せたイレーヌ姫は、口元に笑みを張りつけて答える。

「……買い物に出かけたのだと思いますけれど、それがなにか?」
「街でアレクシアが暴漢に襲われました。男は酒場で見知らぬ女に雇われたと言っていたが、あなたが関与したのではありませんか? 姑息にも侍女に命じて」

 ルシウス様が語った推測は、わたしの考えとも一致していた。わたしが街へ行くことと、その理由を知っている人物。そしてわたしに恨みを持つ人間といえば、該当者は限られている。

「知りませんわ。証拠はありますの?」
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