英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
(今日こそは、お話しができるかしら……)

 どこから切り出そうかと悩んでいると、ふいに部屋の外が騒がしくなった。

 足音が近づいてきたと思うと早いノックが三回されて、緊迫したメイドの声がドア越しに響く。

「旦那様、大変です! グレイス大奥様を先頭にご親戚と名乗る方々が突然いらして、奥様に会わせろと……」
「なんだと?」

 険しい顔をしたルシウス様が、扉の向こうを睨んだ。

(グレイス様とご親戚の方々がいらしている……?)

 式典にも出席していたであろう貴族の面々が、閉式後いくらも経たないうちに押しかけてくるなんて、よっぽど大事な話があるのだろう。
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