義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 食事のあと、家族みんなが順番にお風呂に入り始める。
 私はお客さんだからと、一番風呂をもらった。

 いたれりつくせりで、申し訳ないくらい。

 お風呂から上がった私は、蘭の部屋で待たせてもらうことにした。
 彼女が出てくるまで、ひと息つこうっと。

 部屋に入った瞬間、足が止まった。
 中央の小さなローテーブルの前に、座布団がふたつ並んでいる。
 ――ここに座れってことかな。

 私はそのうちのひとつに、ちょこんと腰を下ろした。

 それにしても……。

 ふと、部屋の中を見渡す。

 勉強机にベッド、壁際には本棚。
 ローテーブルの向かいには、小さなテレビ。
 壁にはクローゼットも備えつけられている。

 ごく普通の女の子の部屋……と言いたいところだけど、
 一点だけ、ちょっと圧倒されるものがあった。

 壁には、ぐるりと囲むように貼られたアニメキャラクターのポスター。
 どの子も楽しそうに微笑んでいて、その視線がこちらを見ているように感じる。

 少し居心地は悪いけれど、きっと蘭にとってはこれが幸せなんだ。

 本棚には、びっしりと少女漫画。
 ――彼女の人生のバイブル。

 私は苦笑しながら、そこから一冊を手に取って、ぱらぱらとページをめくった。


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