行き倒れ騎士を助けた伯爵令嬢は婚約者と未来の夫に挟まれる
18手紙
フレンがアリシアと距離を取るようになって数日が経った。フレンが屋敷の外で模擬剣をふるって稽古をしていると、メイドの一人が手紙を持ってやってきた。
「フレン様、お手紙が届いております」
「俺に?」
未来から来た自分にはここに知り合いはいない。正確に言えばいないわけではないが、未来の自分としてはここにいる知り合いとは接点がないのだ。
不思議に思って手紙を受け取り差出人を見てフレンは顔を顰める。急いで手紙の中身を取り出し読むと、さらに険しい顔になった。
「どういうつもりだ……」
◇
「手紙が届いた?」
その日の夜遅く、フレデリックが執務室にいるのを見計らい、フレンはフレデリックに手紙を渡す。
「俺宛に、メリッサからだ」
メリッサの名前が出てフレデリックの顔が険しくなり、フレンもまたずっと厳しい顔をしている。
「中身を見ても?」
そう聞かれてフレンが頷くと、フレデリックは手紙を読む。そして、盛大に眉間に皺を寄せた。
『フレン様
突然のお手紙で失礼します。どうしてもアリシアお姉さまのことでお話がしたいのです。
フレン様はお姉さまのことを好ましく思ってらっしゃるのですよね?見ていればわかります。フレン様のお姉さまに対する視線がとてもお優しく、そして熱いものだと私にはわかるんです。
今度開かれる舞踏会の時に、二人きりでお話させてください。フレデリック様からお姉さまを奪う方法をお教えします。フレン様にとって損はないと思いますよ。 メリッサ』
「フレン様、お手紙が届いております」
「俺に?」
未来から来た自分にはここに知り合いはいない。正確に言えばいないわけではないが、未来の自分としてはここにいる知り合いとは接点がないのだ。
不思議に思って手紙を受け取り差出人を見てフレンは顔を顰める。急いで手紙の中身を取り出し読むと、さらに険しい顔になった。
「どういうつもりだ……」
◇
「手紙が届いた?」
その日の夜遅く、フレデリックが執務室にいるのを見計らい、フレンはフレデリックに手紙を渡す。
「俺宛に、メリッサからだ」
メリッサの名前が出てフレデリックの顔が険しくなり、フレンもまたずっと厳しい顔をしている。
「中身を見ても?」
そう聞かれてフレンが頷くと、フレデリックは手紙を読む。そして、盛大に眉間に皺を寄せた。
『フレン様
突然のお手紙で失礼します。どうしてもアリシアお姉さまのことでお話がしたいのです。
フレン様はお姉さまのことを好ましく思ってらっしゃるのですよね?見ていればわかります。フレン様のお姉さまに対する視線がとてもお優しく、そして熱いものだと私にはわかるんです。
今度開かれる舞踏会の時に、二人きりでお話させてください。フレデリック様からお姉さまを奪う方法をお教えします。フレン様にとって損はないと思いますよ。 メリッサ』