「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
そのあと、美術館近くにある快回機の列に並んだ。
大きなテントの中を馬と馬車が回転していて、音楽が鳴る中、五分かけて一周する。
「珠子、お前だけ乗って来い」
と言われ、珠子は思わず、
「えっ? 快回機は高くないですよ」
と言ってしまう。
「……そうじゃない。
お前に手を振りたいからだ」
子どもだけが乗っている家族連れは親がテントの外から手を振っていた。
「私は……晃太郎様と一緒に乗りたいです」
そうか、と晃太郎はちょっと照れたような顔をする。