【一般公開開始】子犬系男子の距離感がバグりすぎてて困ってます!
古谷さんの、あたかも『これくらい普通』と言うかのような言葉に、えぇ…と引きつった声を漏らす。


「と、特定……みんな、ネットワークの何かなの?」


「いやいや昼仲さんが疎いんだよ。でもそこに入らない方が合ってると思う。世の中、人間関係ドロッドロだからね」


”ドロッドロ”という言葉を聞いて、思わず体を身構える。


私の知らない世界線。


みんな、どんな想いを、気持ちを、感情を持って、そんな世界にいるんだろう。


心の中では少し怖気づくも、みんなのその世界を生き抜く凄さに思わず、尊敬の眼差しを向けた。


そして、さっきまで橋本さんとキャーキャー女の子らしい会話を繰り広げていた要ちゃんが、


「うちの可愛いさゆに何悪知恵吹き込んでんの!?」と言いながら割に入って来た。


そして、要ちゃんが私を守るように前に出て、番犬のように周りを威嚇する。


坂井くん、橋本さん、小桜さん、そして古谷さんは、要ちゃんの顔を見て、呆れため息をついた。


どうしてこんなバチバチ(?)な火花を飛ばしているのか分からない私は頭をはてなマークに浮かばせる。


そんなちょっと険悪な空気にHR5分前のチャイムが鳴り響く。


キーンコーン…


HR予鈴のチャイムにハッと本来の目的を思い出したのか、要ちゃんは私の手を優しく、けれど力強く引っ張って、


一時休戦(?)になったA組のみんなを置いて、B組へ向かおうと大きな足取りで運んだ。


A組のみんな、キラキラしてて近寄りがたいと思ってたけど、実はそれは見た目だけで中身は親しみやすいのかも…?


そう新しい発見が出来た私は嬉しくて小さく微笑みながら、要ちゃんの後について行った。
< 34 / 44 >

この作品をシェア

pagetop