不幸を呼ぶ男 Case.3

【滝沢のアジト】

テレビの中では
満身創痍の、黒川皐月が
たった一人で、日本中を、相手にしていた
その、あまりに、気高く
そして、あまりに、強い姿
璃夏は、その光景を見ながら
ぽろぽろと、大粒の涙を、流していた
滝沢は
静かに、タバコの煙を、吐き出した
そして
ぽつりと、呟いた
滝沢:「……すごい、女だな」
璃夏:「……カッコよすぎますよ!」
璃夏は
泣きながら、滝沢の方を向いて、言った
滝沢:「……なんなんだ、お前は」
璃夏:「だって……!」
璃夏:「ちゃんと、風間さんとの約束、守ったんですよ!」
璃夏:「黒川さんは!」
滝沢は
やれやれと、言った顔で
深いため息を、ついただけだった

【数週間後】

総裁選は
黒川皐月の、圧勝に終わった
そして
彼女を、総理大臣とする
新しい、内閣が、発足した
その、組閣の名簿を見て
日本中が、再び、驚愕することになる
内閣官房長官
その、ナンバー2のポストに就いていたのは
奇跡的な回復を見せた
大野勇次郎、その人だった

【総理執務室】

黒川は
総理執務室の、大きな窓から
国会議事堂を、見下ろしていた
そこに、大野が、静かに入ってくる
黒川:「……これから、茨の道になるわね」
大野:「覚悟の上ですよ。あなたこそ、大変でしょう」
黒川は、振り返ると
ほんの少しだけ、微笑んだ
黒川:「あなたがいるから、大丈夫よ」
大野:「……光栄ですね」
これから
黒川皐月と、大野勇次郎
二人の、本当の戦いが、始まる
この国を、より良くするための
気高く、そして、熾烈な、戦いが


『不幸を呼ぶ男 Case.3』


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