からかわないでよ、千景くん。



「…千景くんに、ポニーテールかわいいって言われたの」



ぽつりと、言葉がこぼれた。



「でもそのあとに、キスマークつけてもいい?って言われて…冗談だったけど…」


(あの時の声、指先の感触、まだ残ってる)


「かわいいねって笑われて…お腹触られて…」



顔が熱くなる。



「千景くんのこと好きだから、他の女の子のことは触らないでって思ったの」


(言葉にすると、すごく恥ずかしい)


「そしたら千景くん、なずな以外どーでもいいでしょって。

 それが凄く嬉しくて。千景くんにとって、私は特別になれてるのかなって。

 あと、『言ったじゃん、嫉妬するって。許さないよ、俺』って…。

 許さないって意味がよく分からなかったけど…嫉妬してくれて嬉しいって思ったの」



でも——



「千景くんは私のこと好きとかじゃなくて、きっと面白い玩具だと思ってると思うし…期待しちゃだめだよね…」



言い終わったあと、胸の奥がじんわり痛くなった。


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