私なんかが神様のお嫁さんになりました

「兄さん、人間の女は薄情で自分勝手だ。俺は人間の女が大嫌いなんだ。」

青龍神様があまりにも大きな声をだしたので、その声は杏にも聞こえていた。
杏が振り向くとその表情は怒りと憎しみに溢れているように見える。

青龍神様は大きな声を出した後、とても厳しい表情でどこかに歩いて行ってしまった。
どすどすと大きな足音から青龍神様の憤りも感じる。

驚きを隠せない杏に白様が優しく声を掛ける。

「杏、驚かせてしまって悪かったな。青が人間を嫌いになったのには理由があってな…許してやってくれ。」

「…理由というのは…」

白様は静かに目を閉じた。
そして少し息を吐くと、杏に話し始めた。

「…杏には話しておいた方が良いな、昔の話だが青は人間の娘に恋をしたのだ。そして娘を嫁に迎えたのだが、その娘は数日もしないうちに青の持っていた宝石や高価な織物などを持って逃げてしまったのだ…追いかけて捕まえた娘は青に向かって酷い事を言ったのだ。」

「…なんと…仰ったのですか?」

「神様といっても人間ではない。龍の化け物だとな…」

「…どうしてそんな事を…信じられません。青龍神様にそんな失礼な事を…」

白様は杏の頬に優しく触れた。

「杏から見れば我も化け物だな…我の嫁になったこと後悔しておらぬか?」

杏は大きく首を左右に振り、頬に触れていた手を両手で握った。

「私は白様を化け物なんて絶対に思いません。とても美しく尊敬できる神様です。本来ならば私なんかが白様のお嫁様になれるはずないのに…後悔なんてありえません。私はとても幸せ者です。」

「ありがとう、杏。」


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