私なんかが神様のお嫁さんになりました
金と銀の龍が飛立った後も、杏は空をずっとみていた。
すると白様がそっと杏の肩に手を置いた。
「杏、いろいろと苦労を掛けることもあると思うが、我は全力で杏を守る。我についてきてくれるか。」
「はい、白様のお役に立てるよう頑張ります。」
杏の笑顔を見て安心したように白様は微笑んだ。
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白様のご両親たちが訪問して数日後。
今日も杏は庭の掃き掃除をしていた。
すると、お屋敷の女性達が駆け足で杏を呼びに来た。
「杏様、…天の国から杏様へお使いの方がお越しです。」
天の国とは白様のご両親がいる本家や、神々の家があるところである。
そこからのお使いとは、郵便での手紙みたいなもので、お使いの方が文を届けに来てくれるのだ。
杏が客間に急ぎ向かうと、部屋にはもう白様が先に到着していた。
「あの…私に…お使いの方でしょうか…」
杏が信じられないと言う表情で小さな声を出した。
そこには全身真っ白な着物で白い頭巾を目元まで深くかぶった男性が前に手紙のような物を置いて頭を下げていた。
白様はその男性に向かって声を掛ける。
「杏が参りました。文をお願いします。」
その男性はその言葉を聞くと、文を頭より高く持ち上げて杏の前に差し出した。
杏はどうしてよいか分からないが、差し出された手紙を受け取る。
「あ…ありがとうございます。」
杏がその文を広げた時、白様が杏に優しく声を掛けた。
「杏、天の文字は難しいゆえ、我が読んで内容を伝えよう。」


