オレンジ色の奇跡

作った伝説とカウントダウン



 習慣というのは恐ろしいもので、金髪を見ると必ず目で追ってしまう。

 目で追うのは誰だってあることなんだけど、最終的に落ち込むってパターン。

 だって、岩佐先輩じゃないんだもん。

 そんなあたしを見ていつも梨海はため息をついてるみたいだけど、しょうがない。

 今日も朝から、違うって分かってるのに目で追って自己嫌悪に陥りながら教室に入った。

「おはよ」

「梨海、優衣おはよ」

「舞希ちゃんおはよう」

「……なんか今日変じゃない?」

 入った瞬間、ざわざわとそしてちらちらとあたしを見るクラスメイト。

 あたし、何かしました?

 したって言ったら、先々週のアレしかないと思うけど、アレはあっちが悪いよね、ね?

 だって、ほら。
 “相川”ってだけで、連れ攫われそうになるなんて初めてだったし、梨海と優衣を巻き込みそうだったんだもの。


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