オレンジ色の奇跡


◆……

「…………どうですか?」

 朝ご飯を食べおわり岩佐先輩にケーキを食べてもらった。

「……………うめぇ」

 岩佐先輩の表情が明るくなった気がするけど、気のせいじゃないよね?

 子供みたいな笑顔で、次々とケーキを頬張る。

「…………よかった」

 そんな姿を見てほっとした。

「ケーキの何がうまいんだよ…」
 朔兄が気持ち悪そうにこっちを見ている。

「朔兄コーヒーゼリーもあるけど?もちろん甘くないやつ」

「おっ!食う食う」

 冷蔵庫から出したコーヒーゼリーを出して朔兄の前に置く。

 あたしは、岩佐先輩の前に座り一緒にケーキを食べた。

 思ったよりおいしくできたケーキ。

「相川、うまそうに食うな」

「先輩も負けてませんよ?」

 笑いあいながら食べるケーキはなんだか、いつもより甘く感じた時だった。




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