宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-

第1話 虹の架け橋

 カーンカーンカーン……

 今日も(とむら)いの(かね)が遠くに響く。

 あの音が聞こえてくるということは、ここは王城からそう離れた場所ではないということだろう。

 この部屋に連れてこられてから、もう幾日過ぎたかもわからない。格子のはめられた窓から、雪舞う鈍色(にびいろ)の空を見上げ、リーゼロッテは胸の守り石を強く握りしめた。

 枯れることを知らない涙が、頬を伝っては落ちていく。

(ジークヴァルト様……今すぐ、会いたい――)


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