危険な隣人たち

飛鳥side

飛鳥は、竜也がゆいに向ける視線が、少しずつ変わっていることに気づいていた。

竜也が、ゆいに対して何かを求めている。
そのことに、飛鳥は漠然とした不安を抱えていた。
だが、その不安を打ち消すことはできなかった。

「俺も、ゆいと一緒に帰る」

言葉が出てきたのは、自然なことだった。
彼女を見ていると、なんとなくその言葉が口をついて出てきた。

だが、その後の竜也の表情を見て、飛鳥はすぐに悟った。
竜也の中で、何かが“変わった”のだと。

その変化を前に、飛鳥はただ黙って竜也を見つめることしかできなかった。
あれが自分にとって、最も辛い瞬間だとは、まだ思っていなかった。

放課後、竜也とゆいが歩き出す。その後ろに、飛鳥が少し遅れて続く。
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