危険な隣人たち

飛鳥side

飛鳥はその夜、自分の部屋で一人、思いにふけっていた。
ゆいが選んだのは竜也だった――その事実をどうしても受け入れられなかった。

「どうして、俺じゃなかったんだ?」
その問いが、飛鳥の頭の中で何度も繰り返される。
だが、答えは出なかった。

「俺は、いつだってお前を守ってきたのに。」
飛鳥は、ゆいとの過去を思い出す。
あの日、あの瞬間、あの笑顔。それが全てを失ってしまったような感覚に襲われた。

だが、まだ終わりじゃない。
飛鳥は強く思う。
これからだ。
彼の中で何かが決まった。

「俺は、何があってもお前を守る。」
その言葉が、飛鳥の中で決して消えなかった。
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