執拗に愛されて、愛して
「それなら煙草もやめなさいよ、あんたに早死にしてほしくないし。」

「…禁煙なあ。」


 そう言いながら全然乗り気では無さそうだった。既に煙草を掴んでいて、やめる気配はない。

 やめろと言われている傍から煙草を吸って蒸かして、それから火を灰皿で消すと、そのまま今度はカウンター越しに居る私の頭を掴んでそのままキスをしてくる。

 煙草の苦さで思わず顔が歪む。この男とキスをする時のこれにはまだ慣れない。


「夏帆が孕んだ時は考えようかな。」


 そう言って笑って、私は驚いて目の前の男を見ていた。先程まで対応していた女性客にも見られていて少し気まずくなる。

 玲くんは呆れていて、気を逸らそうと女性客に話し掛けていた。


「本当…、あんた場所と発言考えなさいよ。」

「思った事言っただけ。勘違い女性客に牽制も出来て気分良いだろ?」

「バカじゃないの。」


 確かに妊娠なんてそんな事があればやめてくれないと困るけれど、今の所そんな予定は無いし、人前でキスをするなと何度言ってもやめはしない。

 そんな牽制の仕方をして気分が良いのは雅だけだ。
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