執拗に愛されて、愛して
「…泣いて何もかも許されると思うなよ。今まで散々我慢してきたけど、限界だわ。」

「…そんなん、私だって我慢してきたし。お互い様じゃないの。」

「俺は、他の女に隙なんか見せたこと無いよ。もし、今日みたいに酒に酔って、知らない男にお前が抱かれたら、俺そいつ殺しに行くと思う。」


 雅の顔は冗談を言っている顔には見えなかった。とんでもない発言に、思わず息を呑んだ。雅がそこまでに私を想っているなんて考えた事も無かったから。

 私の表情を見て雅が小さく何かを呟いていた。それは読み取りも聞き取りも出来なかった。


「…頭冷やしたいから、マジで数日放っといて。しばらく俺の事は居ないと思ってて良いから。」


 そう言って私の身体を押しよけて玄関の方に向かっていく。

 こんなに突き放されるのが苦しい事だって思わなかった。突き放されるなんて考えた事も無かったの。今まで喧嘩しながらも思っている事言い合って、何だかんだ仲良くやってきたから。


 その日から、雅は朝帰りをするようになった。
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