執拗に愛されて、愛して
 時は戻ってきて現在、26歳の私と、28歳の雅が再会した。

 事の流れを話すと玲くんは「へぇ、めちゃくちゃ真剣に交際してたんだ」と、雅に言葉を掛けた。その時の雅は軽く笑って煙草を蒸かしている。


「あーあ、俺可哀想。」

「あんたが大元変わって無くてその頃から手癖酷かったのよね。女遊びはやめてただけだったんだわ。」

「お前ね、20歳のガキの俺がどんな思いでお前を口説いたと思ってんの。」


 そう言いながら隣でグラスを掴みながら呆れ笑いをしている。あの時の近付き方も今思えば凄く手慣れている様に見えた。だからてっきり、ああやっていつも女の子を持ち帰っているものだと思っていた。


「結婚とか迫って逃げられた挙げ句今もこの扱い、俺不憫すぎ。」

「自分で言えるなら元気ね。」


 顔に引っかかったあの頃の子供の私に、今ならこいつはやめておきなさいって助言できる。そしてもし再会したらすぐさま逃げなさいも言う。顔がタイプだと思ってしまうと何でも好きに見えて危険だし、どうせ長続きはしないから。


「今からあんたの顔をボコボコにしたら良いのか。」

「何だお前、発想がヤクザかよ。」


 その綺麗な顔に騙されてどれほどの女性が泣いたか、その女性達を代表して私に殴る義務がある様な気がしてきた。
< 68 / 331 >

この作品をシェア

pagetop